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第16話 これだよ、やりたかったのは(僕のNSC物語「卒業後」編)

  2016/07/23

お笑いの難しさを改めて痛感していたが、これといったネタが出来てないので、ネタを作らないと始まらない。

しかもM-1の時期も近づいていたので、漫才を作らないとダメだ。

そんな時にふと相方としょうもない会話をしていて、僕が大喜利みたいな感じで相方に振ってみた。

するとその相方の回答が、思わず笑ってしまうような回答だった。

それは大爆笑ではなく、脱力感のような笑いだ。

その時に気付いた。

「俺の目指してる笑いはこの分野」だと。

さっそくそこを基準にネタ作りを始めた。

今回は漫才である。

よい感じのネタが出来上がっていった。

おそらくこのネタは全力でやると面白くないネタだ。

しかし脱力気味にやるとそこそこウケるという確信まであった。

こんなにやりがいがあって、自信のあるネタは初めてかもしれない。

まずは最後までネタができる舞台で試した。

自信があったので、緊張はしなかった。

どこまでウケるかを知りたい。

その気持ちだけだった。

いざネタが始まると、最初のボケで、ウケた。

薄ら笑いだが、最初のボケという部分と、出だしという事を考えれば、ベストなスタートだ。

他の部分も大爆笑とまではいかないが、この脱力スタイルに見合った笑いの量だった。

しかも男子にもそこそこウケるという、芸人にとっては嬉しい部分もあった。

初めて戦えるネタが1つ出来たと思えた。

このネタで強制終了のあるオーデションに殴り込みだ。


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